爪垢は苦手

画力に問題がありますがお許しください。

偉人から学ぶ異性に対する心構えについて

 

相談者様プロフィール
30代男性/独身/電子機器製造業・主任/年収600万円

 

相談内容

はじめまして。先日、大学時代に所属していた演劇サークルの飲み会にOBとして顔を出したのですが、そこで仲良くなった後輩とお付き合いすることになりました(彼女は大学生です)
学生時代、女性と接する機会が無かったわけではないのですが、私はかなり奥手な性格です。キャバクラやスナックですら緊張して楽しむことができない自分に「こんなに若くて可愛い彼女ができるのか」という喜びと同時に、大きな不安を抱えています。
私の仕事は残業が多く、彼女と過ごせる時間は多くて週に4回といったところで、私に会っていない時間、彼女がどこの誰と過ごしているのか不安で不安で堪らないのです。
彼女と会うときは、自然と彼女の学校やアルバイトの話になります。そこで彼女が発する「サークルの◯◯先輩(男性)が~」「店長(男性)に勝手にシフト増やされて~」という異性とのやりとりのエピソードに平常心を保つこと、平静を装うことに多大な精神力を使います。
10歳以上年上である私が嫉妬していることを見透かされるわけにもいかないので、同性の友人にモヤモヤする旨の相談をしたのですが「のろけんなよ」と笑われて話になりませんでした。
彼女と直接トラブルがあったわけでは無いので別れるつもりはありませんが、このままだと私の気がおかしくなってしまいます。メンタルが楽になるような方法といいますか、どういった心持ちで過ごせばいいのか教えて頂ければと思います。

 
世界一役に立たない回答

はじめまして。年下の女性の前で余裕のある自分を見せ、その虚栄に自らが苦しめられ、こちらが真面目に相談しているのに茶化され、路頭に迷うお気持ちが強く伝わってまいりました。

シチュエーションはケースごとに異なりますが、嫉妬してしまう自分が辛いといった類のご相談を多数頂いております。そもそもこういった悩みが多い理由の一つとして、女性が男性に対する過度な期待、というものがございます。
「男は女より精神年齢が低い」と自分が世界のすべてを知っているかのような態度をとっているくせに、自分のパートナーが束縛してきたらパニクる有害生物に憤りを感じるお気持ちに、私は強く寄り添いたい所存でございます。

もちろん男性にも全く問題が無いわけではありません(稚拙な論点ですが…)
年上の包容力のある男性に憧れる女性というのは一定の割合を占めますし、そのことを男性陣も中途半端に理解している為か、女性の前で「俺は大体のこと許せちゃうな」「束縛激しい男って女々しいよね」「辛くなったら俺んとこ戻ってくればいいよ」とカッコつけるまではいいんですが、そういった男性に限っていざ何かの間違いで付き合いだしてから嫉妬にまみれたストーカー予備軍へと変貌を遂げがちです(私の知人にも一時帰省するパートナーを疑い、品川から熊本までピクミンのごとく尾行した猛者がおります)

勘違いされてほしくないのは、私はそういった男性の心理を批判したいわけではなく、むしろあなたの抱える心の荒波に共感してしまうタイプの人間です。何より一度生まれた異性との関係性に執着心を抱かず、失っても平常心でいられる心境の人間に生物としての欠陥を感じます。

あなたは今すぐ彼女との関係を解消したい、というわけでもないようですが、今後の人生を左右しかねない考え方についてお伝えしたいと思います。


1)三本の矢/三矢の訓(みつやのおしえ)

安土桃山時代、中国地方の覇者と呼ばれる毛利元就(もうりもとなり)という戦国大名がいました。
合戦による勝率が7割超ということもありますが、彼の真の恐ろしさは敵対大名の内部に間者を送り込み、寝返りと混乱を誘発させるウイルスの様な戦術にあります。自分の息子達をターゲットとなる家に養子として送り込み、トップを無理やり隠居させ息子を跡取りにさせる乗っ取り戦術は人知を超えている、と言えるのでは無いでしょうか。
まさに「謀略の天才」とも喩えられる彼ですが、三人の息子たちには「一本の矢は脆いが三本束ねれば折れない」と兄弟・一門衆の絆の重要性を説きました。

ここで私があなたに汲み取って頂きたいのは、もう一つのテーマです。
それは「一人を好きになってフラれる落ち込むけど三人好きになって一人からフラれてもそんなにダメージが無い」ということです。
男性なら一度はやったことがあると思いますが、目の前を通る女性を「この子は顔隠せばイケる」「可愛いけど下着上下揃ってなさそうな顔してるから無理」という遊びを何歳になっても繰り返して頂き、職場やジム、習い事の場で「イケる/イケない」のメトロノームで引っかかった女性に対してガンガン声をかけて下さい。
私の経験則ですが(下心ありで)連絡を継続的にとる女性が5人を超えると、好きとか嫌いの感情以前に、何がなんだかわからなくなってきます。
聖徳太子が10人まで捌けたのは言うまでもありません。

是非実践なさってください。

2)細川忠興(ほそかわただおき)流愛情表現



安土桃山~江戸時代にかけて、細川忠興(ほそかわただおき)という武将がおりました。「日本一短気な男」「ヤンデレの王」などと現代でこそネタにされる人物ですが、彼のエピソードをご紹介しましょう。

本能寺の変で有名な明智光秀。彼の娘で明智珠(あけちたま/ガラシャとも)を妻に持つ忠興ですが、珠に見とれていた庭師に嫉妬して突然斬り殺したという、生粋のメンヘラ、束縛魔といえるでしょう。(珠は絶世の美女だそうです)

また当時の日本で夫が戦死することも珍しくなく、未亡人となった女性が進む道は「出家」か「再婚」がほとんどでした。
豊臣秀吉に仕えていた忠興は朝鮮出兵の際に「俺が挑戦で死んだら秀吉様がお前を側室(第二の奥さん的な)にしようとするだろうけど、そうなったら迷わず自殺しろ。っていうか俺が死んだらすぐ自殺して。」と命じたそうです(諸説あり)

ここで一つ相談者様にアドバイス致したいのは上記のエピソードも添えて、「俺が死んだらキミも自殺して」と頼んでみることです。
中途半端な嫉妬や束縛より、「死」というキーワードと、ヤバい男どもに囲まれながら生を全うした女性たちのエピソードのダブルパンチにより、パートナーがあなたに惚れ直し、頬やら下腹部やら色んな部位がゲリラ豪雨になること請け合いでございます。

彼女の親御さんへ挨拶する機会で「娘さんと同じ墓に入りたい」なんて言おうもんなら、ご両親も歓喜の余り、あなた宛の遺言書ぐらいならその場で認(したた)めてくれるかもしれません。

あなたの幸せを心から祈っております。

遠藤 俊通